看護師の転職面接では、「志望動機」や「退職理由」だけでなく、これまでの経験や人柄、将来のキャリアプランなど、さまざまな角度から質問されます。
準備不足のまま面接に臨むと、本来の良さが十分に伝わらず、不本意な結果になってしまうことも少なくありません。
この記事では、看護師の面接で必ず聞かれやすい質問から、よくある質問、念のため準備しておきたい質問まで、具体的な回答例とNG例、答え方のポイントをまとめました。
ホスキャリコ(現役看護師)現役看護師の面接体験も交えながら解説しているので、「何をどう答えればいいか不安…」という方の参考になれば幸いです。
★この記事を読むとわかること
・看護師の面接の質問・回答例
・面接に受かるポイント
・面接官が見ているポイント
・おすすめの看護師転職サイト
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看護師の面接で必ず聞かれる質問・回答例【3選】
看護師の面接で聞かれる可能性が高い質問と回答例を3つまとめました。
これらの質問には、必ず答えられるように練習しておきましょう。
自己紹介をしてください
ホスキャリコと申します。
〇〇大学を卒業後、総合病院の〇〇科で3年間勤務しました。急変対応や観察力を強みとして、患者さんの変化に早く気づく看護を大切にしてきました。今後はより一人ひとりに寄り添った看護を深めたいと考えております。
本日はよろしくお願いいたします。
- ホスキャリコです。よろしくお願いいたします。
- ホスキャリコと申します。〇〇大学を卒業後、〇〇病院に入職しましたが、残業が多く給料が低かったため、もっと給料の高いところで働きたいと思い、御院を志望いたしました。
自己紹介では必ず、「名前」「最終学歴」「職務経歴」の3点を伝えます。
その後に、志望理由を短く一言添えると好印象です。後に志望理由について聞かれる場合があるので、ここでは短く伝えましょう。
最後に「本日はよろしくお願いいたします」と添えましょう。
「自分の名前だけ伝える」「自己紹介が長過ぎる」「前職の不満を伝える」などは印象があまり良くないので、避けましょう。



本人確認のため、生年月日や住所を聞かれる場合もあります。引っ越し直後の人は、現住所も頭に入れておきましょう。
志望動機を教えてください
急性期病棟で経験を重ねる中で、患者さんの退院後の生活まで見据えた看護をしたいと感じるようになりました。御院は地域包括ケアに力を入れていると伺っており、私の観察力や退院支援の経験を活かしながら、患者さんの生活に寄り添う看護に貢献したいと考え志望いたしました。
- 家から近く、働きやすいと思ったからです。
- 新しい病院で雰囲気が良さそうだからです。
志望動機には、以下の3点を盛り込みましょう。
- これまでの経験やスキル
- なぜこの病院を選んだのか
- 志望先で自分の強みをどのように活かすのか
自身の経験や強みと応募先の特徴をセットで話すと、説得力がアップします。
「家から近い」「給料が高い」など、条件のみを伝えるのはNGです。



事業所のホームページで理念を必ず確認しておきましょう。
「御院の〇〇という理念に共感し〜」といった形で盛り込むと、応募先に合わせた志望動機になり、より熱意が伝わりやすくなります。
退職・転職理由を教えてください
急性期で多くを学ばせていただきましたが、より患者さんとじっくり関われる環境を求めて転職を決めました。御院はチーム医療や退院支援が充実していると伺い、これまでの経験を活かしながらさらに成長できると感じています。
- 残業が多く、忙しすぎたので、もっとゆったり働きたいと思ったからです。
- 人間関係が大変で退職しました。
採用するからには長く務めてもらいたいという思いから、退職理由を聞かれることは多いです。
たとえ退職理由が「人間関係」や「給与面」だったとしても、前職のネガティブな理由は伝えずに、「自分のやりたいことを実現するため」や「キャリアアップのため」などポジティブな理由に変換して伝えましょう。
【正直に伝えないほうが良い退職理由】
・体調不良
・人間関係
・待遇への不満(残業・休日・給与など)



退職・転職理由は志望動機以上に聞かれる頻度が高い質問なので、必ず準備しておきましょう。
退職理由・転職理由の具体的な例は、以下の記事を参考にしてください。


看護師の面接でよく聞かれる質問・回答例【8選】
看護師の面接でよく聞かれる質問と回答例を8つまとめました。
志望動機や退職理由よりは頻度は下がりますが、確実に答えられるように準備しておきましょう。
看護師を目指したきっかけを教えてください
家族が入院した際に看護師さんの丁寧な対応に救われ、自分も誰かの力になりたいと思ったことがきっかけです。実習や前職での経験を通して、患者さんの生活を支える看護に魅力を感じています。
- 給料が良いからです。
- とりあえず資格を活かした仕事がしたかったからです。
看護師を目指したきっかけは、「具体的なエピソード→気づき→どんな看護師になりたいか」まで一貫したストーリーにすると良いです。
「給料が良い」「安定」などの理由は、動機が浅く、熱意が感じられないのでやめましょう。
あなたの長所と短所を教えてください
長所は観察力があるところです。患者さんの小さな変化にも気づき、早期対応ができるよう心がけています。
短所は慎重になりすぎるところですが、優先順位を意識して業務スピードを調整し、必要な場面では先輩に相談しながら改善しています。
- 時間を守ることが苦手です
- ミスが多いです
- 縄跳びが得意です。〇〇大会で優勝したことがあります。
人柄を知るために、長所や短所を聞かれることがあります。
長所は、自分の得意なところをどのように活かして、転職先に貢献できるのかを盛り込むようにしましょう。
短所は、「時間を守れない」「ミスが多い」など、業務に支障が出そうな内容は避けましょう。また、短所を改善するために努力していることを付け加えるのがポイントです。



得意なことと苦手なことを聞かれる事業所もありました。看護師としてどのように活かせるのかも添えて答えましょう。
働いていて印象に残ったエピソードはありますか
入院中に不安が強い患者さんがおり、こまめに声をかけながら関わることで、退院時に「あなたがいたから頑張れた」と言っていただけたことが印象に残っています。患者さんの気持ちを支える看護の大切さを実感しました。
特に印象に残ってるエピソードはありません。
エピソードの状況を簡潔に説明し、その上で自分が何を学び、成長したのかを伝えるようにしましょう。
この質問で面接官は、その看護師のやりがいや性格などを見ています。



思い出や感動話はつい長々と話してしまいがちですが、簡潔にわかりやすくまとめることを心がけると好印象につながります。
希望する配属先とその理由を教えてください
前職では循環器内科で勤務していたため、観察力や急変対応の経験を活かせる心臓血管外科を希望しています。
ただ、病院全体の体制を知りたいので、他部署も相談しながら柔軟に対応したいと考えています。
- 小児科以外は考えていません。
- 外科には興味がないので内科でお願いします。
- どこでもいいです。
希望の診療科がある場合は、第1希望、第2希望まで準備しておくといいでしょう。
なぜその部署を希望するのか、経験や強みを交えて根拠を示すと、より熱意が伝わります。



希望していない・経験のない部署でも、学ぶ姿勢があることを伝えると好印象です。
これまでの経験を教えてください
急性期病棟で3年間勤務し、循環器・呼吸器の患者さんを担当しました。観察や状態変化のアセスメントを得意としており、急変対応にも関わっていました。これらの経験を活かし、安全な看護に努めたいと考えています。
普通の病棟で働いていました。特別な経験はありません。
これまでの経験は、所属していた診療科や業務内容を伝えます。経歴の羅列ではなく「何ができるのか(スキル)」を示します。
面接官は、即戦力性・応募先との相性・強み・成長姿勢などを総合的に見ています。自身の経験やスキルをアピールすることで、面接官に自分を採用することによるメリットを伝えることができます。



これまでの経験を応募先で役立つ強みに結びつけると、説得力もぐっと増すでしょう。
今後のキャリアプランや目標を教えてください
まずは基礎技術を確実に身につけ、患者さんの安全に貢献できる看護師を目指します。ゆくゆくは後輩指導や委員会活動にも携わり、チームの一員として成長したいと考えています。
特に考えていません。
今後のキャリアプランや目標は、志望先で実現可能なものにしましょう。高望みしすぎず、現場で長く働く意志を示します。
夜勤や残業はできますか
- 子どもがまだ小さいため、家庭との両立を考え、夜勤は月◯回程度であれば可能です。シフトの相談ができれば、安定して勤務できると考えています。
夫や両親も育児に協力的なため、できる限り対応できる状況を整えていきたいと思っています。 - はい、可能です。体を動かすことは好きなので体力には自信があります。
- (本当は難しいのに)いつでも夜勤、残業可能です。
- 夜勤はできないです。
- なるべき定時で上がりたいです。
基本的には、夜勤も残業も問題なくできると答えられるのがベストですが、育児や家庭の事情で難しい場合は、嘘をつかずに伝えるようにしましょう。
「夜勤は月◯回なら可能」「子どもが◯年後に小学校に上がったら可能」など、具体的な数字を出し、なるべく対応できるように努力する姿勢を見せましょう。



同じような家庭状況の看護師がどのように対応しているのか聞いてみるのもいいでしょう。
最後に質問はありますか(逆質問)
- 院内研修や勉強会があれば、頻度や内容を教えていただきたいです。
- お聞きしたかった質問はこれまでのお話で解消できたため、追加ではありません。
- 特にありません。
- 残業は何分単位でつきますか。
- 具体的な月給と年収を教えてください。
面接の終盤では、面接官からの質問である逆質問を尋ねられることが多いです。
「特にありません」という回答は、意欲が欠けていると感じさせてしまうので、最低でも3つは質問を準備しておきましょう。
「ホームページに載っている情報」「面接官が説明した内容」「待遇面に関することばかり」を質問するのは、NGです。
看護師の面接で念のため準備しておきたい質問・回答例【5選】
ここでは、頻度としては高くありませんが、時々聞かれることがある質問と回答例をまとめました。
余裕がある人は、以下の質問にも答えられるように対策をしておきましょう。
周りの人からあなたはどんな性格だと言われますか
周りからは、落ち着いていて話しやすいと言われます。患者さんの不安を引き出しやすいと言っていただくこともあり、コミュニケーションのしやすさは自分の強みだと感じています。
- 特に言われることはありません。
- せっかちな性格だと言われます。
面接官は、協調性やコミュニケーション能力などのチームで働く適性を確認しています。抽象的な性格ではなく、看護の現場で活かせる性格を具体的に伝えることが大切です。
短所だけを伝えるとマイナス評価につながるため、長所を中心に説明すると好印象です。
過去にインシデントの経験はありますか
入職1年目に投薬時の確認不足でヒヤリとした経験があります。それ以来、ダブルチェックを徹底し、指さし確認を取り入れるなど、自分の行動を見直しました。再発防止の姿勢は常に意識しています。
- インシデントはありません。
- 忙しくて確認できなかったので仕方なかったと思います。
インシデントは看護師なら経験している人がほとんどなので、隠す必要はありません。大事なのは、そのインシデントにより何を学び、再発防止のためにどのように努力しているかです。
他にも志望している病院はありますか
- 他にも数か所応募していますが、地域包括ケアに力を入れている点で御院が第一志望です。私の退院支援の経験を最も活かせる環境だと感じています。(第一志望の場合)
- 現在、複数の病院を並行して検討しています。ただ、急性期から在宅まで一貫したケアをされている御院の特徴には強く惹かれており、私の経験も活かしやすいと感じています。(第一志望ではない場合)
- たくさん応募しています。どこでも働ければいいと思っています。
- ここしか受けていません。(嘘はNG)
複数応募している場合は、隠さずに伝えましょう。「御院しか受けていません」という回答は、志望度の高さをアピールできますが、事実と異なる場合は避けましょう。



この質問とあわせて、「今回の転職活動で重視していること」や
「志望先を知ったきっかけ」を聞かれたこともあります。
休日は何をして過ごしていますか
読書や散歩をしてリフレッシュしています。休日に気持ちを整えることで、仕事に集中できるようにしています。
- 1日中家でゴロゴロしています。
- 特に何もしていません。
休日の過ごし方に関する質問は、ストレス解消法や生活習慣、人柄などを総合的に見極めるために行われます。
そのため、リフレッシュできている様子や健康的な過ごし方を伝えることで、好印象につながります。



家で1日中動画や映画を見ている、ゲームをしているなどは、暗い印象を与えやすいので、避けたほうがベターです。
結婚や子どもについてどのように考えていますか
今後、結婚や子どもも視野に入れてはいますが、仕事は続けたいと考えています。状況に応じて相談しながら、できる限り長く働きたいです。
- 子どもをすぐに作る予定なので、早めに産休に入ると思います。
- 特に考えていません。
結婚や子どもの予定については、本来であれば面接では聞くべきではない質問ですが、看護師は女性が多い職種ということもあり、実際には聞かれることがあります。
もし質問された場合は、今は仕事をしっかり続けたいという意思を伝え、長く勤務できることをアピールすると好印象です。
看護師の面接に受かる4つのポイント
以下のポイントに気をつけると、面接に合格する確率が上がります。
ネガティブな内容もポジティブに変換する
面接では、退職理由や大変だった経験、短所など、ネガティブに聞こえる質問もあります。
その際は「課題 → 工夫・学び → 今後どう活かすか」という流れで、前向きな内容に置き換えて伝えることが大切です。
ただの愚痴や不満で終わらせず、成長意欲を示すことがポイントです。
待遇面については話さない
給与・休日・残業などの待遇は気になる点ですが、こちらから積極的に口にすると「条件で選んでいる人」という印象につながります。



待遇について気になる場合は、転職サイトを利用すると事前にキャリアアドバイザーが教えてくれます。
回答は丸暗記せずに自分の言葉で話す
完璧に暗記したような話し方は、気持ちが伝わりにくく、面接官にも違和感を与えます。
伝えたい要点だけを押さえて、自然な言葉で話す方が、誠実さや人柄がより伝わります。
このように話したい場合でも、全文を暗記する必要はありません。
覚えるのは、以下の「話の骨組み」だけで十分です。
- 急性期病棟でどんな経験をして、どんな看護をしたいと思ったのか
- 志望先の理念や特徴
- これまでの経験をどう活かしたいのか
- 患者さんの生活に寄り添う看護をしたいという結論
こうしたポイントだけを押さえておけば、多少言い回しが変わっても、自分の言葉でしっかり伝わります。
結論から簡潔に述べる
看護師の面接では「結論 → 理由 → 補足」の順で答えると、話が分かりやすく、論理的に伝わります。
だらだら説明せず、シンプルに要点をまとめることで、コミュニケーション能力の高さもアピールできます。
看護師の面接で面接官が見ているポイント
面接官は応募者の第一印象から、身だしなみや態度、コミュニケーション能力まで観察しています。採用したいと思われるように、以下のポイントを抑えておきましょう。
身だしなみ・態度
看護師は患者さんと密に関わる職種のため、清潔感のある身だしなみや落ち着いた態度はとても重要です。
面接では、服装・言葉遣い・姿勢・お辞儀の仕方といった基本的なマナーができているかを見られています。話すときは、緊張すると思いますが、面接官の目を見て、ややゆっくりとハキハキと答え、明るい表情を意識しましょう。
コミュニケーション能力
看護はチームで行う仕事です。報連相のタイミング、相手の話を聞く姿勢、質問への答え方などを通して、面接官はその人のコミュニケーション力を確認しています。
丁寧に話すだけでなく、結論から簡潔に伝えることや、相手の意図をくみ取る姿勢も評価されます。
仕事に対する意欲
志望動機やこれまでの経験、キャリアプランの話し方から、「この職場でどれくらい前向きに働きたいと思っているか」を見られています。
特に看護師は離職率が高いため、面接官は長く働いてくれるかどうかを重視します。成長したい意欲や学び続けたい姿勢を伝えることで、好印象を与えることができます。
現役看護師が経験した面接の実例
ここでは、筆者の現役看護師が面接で実際に質問された内容をご紹介します。



こんな質問をされることもあるんだと、参考にしてみてください。施設や事業所によっても質問内容は変わってきます。
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まとめ
看護師の面接で聞かれる質問には、ある程度パターンがあります。自己紹介や志望動機、退職理由といった「必ず聞かれる質問」に加えて、本記事で紹介したようなよくある質問や、念のため準備しておきたい質問まで、事前に答え方の軸を作っておくことで、落ち着いて自分の考えを伝えられるようになります。
面接官は完璧な答えよりも、あなたの人柄や仕事への姿勢、チームの一員として一緒に働けるかどうかを見ています。
不安な方は、看護師転職サイトのキャリアアドバイザーに相談しながら、面接練習や条件のすり合わせをしてもらうのもおすすめです。この記事を参考に、しっかり準備を整えて、自分らしく面接に臨んでください。











