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訪問看護師を辞める理由は?辞めたいと感じたときの対処法や転職に失敗しない方法を解説

訪問看護はやりがいが大きい一方で、オンコールや移動、記録、人間関係、責任の重さなどで「辞めたい」と感じやすい働き方です。

本記事では、辞める理由今すぐできる対処法、そして転職で失敗しない方法を解説します。
「続ける・辞める」を感情に流されずデータで判断し、あなたに合う働き方を選べるように道筋を示します。

ホスキャリコ(現役看護師)

年々需要が高まっている訪問看護師ですが、病院とは違った「きつさ」もあります。今の職場を続けるべきか、転職すべきかを言語化すれば、今取るべき具体的な行動が見えてきます。

★この記事を読むとわかること
・訪問看護師の離職率
・訪問看護師を辞める理由
・訪問看護師を辞めずに続ける方法
・理想の職場に転職する方法

【PR】本記事はプロモーションが含まれています

目次

訪問看護師の離職率と辞める理由

ここでは、訪問看護師の離職率と実際の看護師の退職理由について見ていきましょう。

訪問看護師の離職率は16〜17%で高め

最新の都道府県調査では、訪問看護師の離職率は概ね16〜17%です。

神奈川県(2023年度)は16.7%、千葉県(2024年度)は16.5%でした。訪問看護師の離職率は、全国の病院看護師の離職率(2023年度 11.3%)より高めで、定着対策が課題です。

【参考】
・神奈川県庁:令和5(2023)年度 看護職員就業実態調査結果(訪問看護ステーション)速報
・千葉県看護協会:令和6年度 看護職の定着確保動向調査結果(訪問看護ステーション管理者対象)
・日本看護協会:2024年 病院看護実態調査 報告書

少し古い情報ですが、日本看護協会「訪問看護の伸び悩みに関するデータ(p.2)」では、2007年の訪問看護師の離職率は、15.0%でした。

訪問看護師の離職率は病院より高めで、近年も高水準が続いています。

訪問看護師が辞める理由の第一位は「健康」「労働条件」

千葉県看護協会(訪問看護・2024年度)によると、訪問看護師(常勤)の退職理由は以下の表のようになっています。

訪問看護師(常勤)の退職理由】

順位退職理由割合

1位
健康上の理由22.0%

1位
職場の労働条件・環境22.0%

3位
人間関係16.5%
4位転居13.2%
5位他ステーションへの転職13.2%

訪問看護師(常勤)の退職理由は「健康」「労働条件」が各22.0%、非常勤は「転職・進学」19.4%が最多でした。

訪問看護師が辞めたいと思う理由【7選】

訪問看護師が辞めたいと思う理由には、「オンコール対応の負担」や「移動がきついなどが挙げられます。訪問看護師は病院とは違った在宅ならではの大変さがあります。

ここでは7つの理由について詳しく解説していきます。

①オンコール対応の負担が大きい

オンコールとは?

勤務時間外(主に夜間・休日)に、利用者や家族からの連絡に対応する待機当番のことです。電話での相談対応が基本で、必要時は緊急訪問します。

勤務時間外のオンコール対応は、睡眠の分断や常時「呼び出されるかもしれない」心理的緊張につながります。電話だけで完結することも多い一方、看取り期や増悪期は出動が増えがちです。

オンコールでよくある例
  • 深夜に呼吸苦、SpO₂低下
  • 発熱
  • 転倒、打撲 など
訪問看護師Aさん

オンコール当番の日は、家にいても外食をしていても、いつ連絡が来るかわからないという緊張感があり、気持ちが落ち着きません。

オンコール対応は、2024年度看護職員の賃金に関する実態調査では、2024年12月の平均で待機7.7回、電話対応5.0回、緊急出動2.3回(いずれも1人あたり)という結果です。

負担感は当番回数出動率手当翌日の勤務調整で大きく変わるため、面接で確認しておくと安心です。

事業所によっては、オンコールは管理者が対応する、オンコールは免除できるということもあります。

②単独訪問での責任が重い

最初の1ヶ月くらいは先輩看護師が同行してくれますが、訪問先には原則看護師1人で向かいます。

初期評価やトリアージ、医師連携の要否をその場で判断する場面があり、経験が浅いほどプレッシャーを感じやすいです。

訪問看護における臨床経験は必須ではありませんが、一般的には臨床3年以上の経験があると安心です。

③訪問先への移動がストレス

天候・坂道・駐車環境・道路事情に左右され、移動自体が負担になります。渋滞や駐車探しでタイムロスが出ると、次の訪問や記録にも響きます。

訪問看護師Bさん

雨の日に自転車で移動する日は大変です。ご自宅にお邪魔するので、雨で濡れた場合は着替える必要があります。

移動手段は自動車や電動自転車の場合がほとんどですが、地域や事業所の方針によって異なります。

④教育体制が整っていない

事業所によってはOJT(実際の訪問に同行しながら覚える実地研修)やマニュアルが不十分で、同行期間が短いまま独り立ちされることがあります。

経験年数によって同行期間は変わりますが、教育体制が整っているステーションを選ぶと安心です。

⑤利用者や家族との人間関係が難しい

病院では、ご家族の面会中に処置や指導することが少ないですが、在宅ではご家族の目の前で処置をすることが多く、プレッシャーに感じることがあります。

価値観や生活習慣が多様で、期待値のズレやどこまで関わるか等の調整が難しいことがあります。連絡頻度や要望の強さによって、心理的な負担が蓄積しやすいです。

利用者が訪問看護に対して後ろ向きであり、「来てほしくない」と言われてしまうこともあります。

ホスキャリコ(現役看護師)

利用者・家族と良好な関係を築くためにも、高いコミュニケーション能力が求められます。

⑥身体介助の負荷が大きい

入浴介助・移乗・体位変換・褥瘡ケアなど、腰や関節に負担がかかる場面が多い仕事です。

住宅事情で動線が狭く、十分な福祉用具がないと無理な姿勢になりやすいのも難点です。

福祉用具が未導入の場合、ケアマネに短期レンタルを依頼すると、腰痛回避につながります。

⑦多職種との連携が大変

主治医、ケアマネ、リハ、薬局、ヘルパー、福祉用具など関係者が多く、情報共有や役割分担の調整が不可欠です。

連絡待ちや会議の負担、責任の所在が曖昧になりやすい点もストレス要因です。

訪問看護師を辞めたくない場合の対処法

訪問看護師がきついと感じても辞めたくないと思う人は、まず以下の方法を試してみてください。

上司に相談、他のスタッフとコミュニケーションをとる

身体的な負担や利用者・家族による人間関係によって「きつい」「大変」と感じる場合は、職場の上司に相談したり他のスタッフに悩みを話してみましょう。

職場によっては、訪問件数やシフトの調整をすることで対処して貰える場合があります。また、状況によっては訪問先を変更してもらえる場合もあります。

休日はリフレッシュし、ストレス発散する

仕事と休日のオン・オフの切り替えがうまいと、ストレスを発散しやすいです。休日は好きなことをして過ごし、リフレッシュできる環境を作り出すことが大事です。

休日の過ごし方(例)
  • 午前中は睡眠・日光・軽い有酸素運動で自律神経を整える
  • 午後は没頭できるもの(散歩、温泉、推し活、料理など)をする
  • 休日は仕事について考えない、話さない など
ホスキャリコ(現役看護師)

私は定期的に旅行に行くことでストレス発散しています。次の旅行の計画を立てて、それを目標に仕事を頑張るようにしています。

研修や講義を受けてスキルアップする

定期的に外部の研修や講義を受講することで、1人で対応することに自信がつき、スキルアップにも繋がります。

受けると効果が出やすいテーマ
  • 急変時対応・電話トリアージ(オンコールの不安に直結)
  • 在宅看取りの意思決定と家族対応
  • 褥瘡、ストマ、在宅酸素・吸引・PEG・CV管理の実技アップデート など

訪問看護師を辞める前に考えたほうがいいポイント

訪問看護師を辞めたくなるほど辛いと感じたら、本当に辞めたほうがいいのか立ち止まってしっかり考えてみましょう。

なぜ辞めたいのかを言語化する

感情のまま退職を決めると、転職先でも同じ壁にぶつかりがちです。まずは「誰の、どの業務が、いつ、どう辛いのか」を具体化し、量の問題(件数・オンコール・移動)質の問題(スキル不安・人間関係・制度)を切り分けます。

STEP
2週間、現在の状況を記録してみよう

訪問件数・移動時間・記録時間・オンコール呼出・睡眠中断を簡単に記録します。負担になっているものを見える化しましょう。

STEP
存続条件を1文で定義

「○○が△△になれば続けられる」というように続けられる条件を定義します。

例)「金曜午後の連続3件とオンコール月8回が負担。連続2件オンコール月4回上限なら継続可能。」

このように言語化することで、次の交渉や決断の軸がぶれません。

訪問看護師のメリットを再確認する

辞めたくなる瞬間ほど、「なぜこの仕事を選んだか」を意図的に思い出すことが大切です。

訪問看護師のメリット
  • 夜勤がない割に給与水準が高い
  • 一人ひとりとゆっくり向き合うことができる
  • 生活リズムが崩れにくい
  • 土日休みが多い
  • 直行直帰できる

これらは病棟やクリニックでは得にくい価値です。自分の価値観(収入・時間・休日・やりがい)の優先順位を3つまでに絞り、現職がどれだけ満たしているかを再確認してみましょう。

理想の訪問看護ステーションに転職する方法

他の訪問看護ステーションへ転職を考えている人は、事前に以下を確認しておくと、転職に失敗しにくいです。

入職前に確認すること
  • オンコールの回数、出動率、手当額
  • インセンティブの有無
  • 直行直帰は可能?
  • 土日体制
  • 移動手段
  • 利用者の傾向、多い疾患
  • 教育体制
  • 運営母体

オンコールの回数やインセンティブの有無は、訪問看護師の年収に直接的に関わってきます。高年収を狙うなら、事前に必ず確認しましょう。

また、運営母体がどこかによって、インセンティブや教育体制も差があるので、確認すると良いです。

母体強み注意点
病院・クリニック・医師連携が速い
・急変時の受け入れ先が明確
・教育・カンファ充実
・インセンティブ弱め
・病院都合で土日体制が重くなる場合も
単独ステーション
(医療法人・民間企業)
・直行直帰が多い
・ICTが進みがち
・件数連動で収入に反映されやすい
・スタッフ数次第でオンコールが重くなる
・教育は事業所差大
介護大手・福祉法人
(デイ・施設併設)
・介護連携が強い
・生活支援寄りで土日休み確保しやすい
・医療処置比率は低めになりがち
・給与は平均並み

仕事に何を重視するか(連携・教育・収入・休み)で選ぶ母体が変わってきます。

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いま感じている「何がつらいのか」(オンコール・単独判断・移動・身体負担など)を言語化し、その負担が小さい職場へ転職すると失敗しにくいでしょう。

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訪問看護をやめる=キャリアの後退ではありません。自分に合う環境に移すことが、看護師として長く働くいちばんの近道です。

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まとめ

訪問看護師の離職率は病院の看護師よりも高い傾向にあります。訪問看護で「辞めたい」と感じるのは、健康負担・労働条件・人間関係・責任・移動が重なるためです。

まずは、辞めたいと思う理由を言語化し、続けたほうがいいのか転職すべきなのかを感情的にならずに見極めましょう。

転職するなら優先順位を3つに絞り、面接でオンコール実態・同行体制・記録ルールを具体確認すると理想の職場に転職することに成功するでしょう。

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この記事を書いた人

看護師/養護教諭/医療ライター
総合病院で循環器内科・腎臓内科・心臓血管外科を経験。大学で養護教諭資格を取得し、幼稚園・小学校に勤務。現在は育児と仕事を両立しながら、看護師の転職や働き方、学校保健などについて実体験を元に発信しています。

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